冷蔵庫のドアを開けたら、ゴムのパッキンに黒い点がぽつぽつ……。そんなときは、まずぬるま湯で拭いてみましょう。落ちなければ、薄めた台所用の中性洗剤へ。メーカーの手入れの案内も、この順番です。

よく勧められるアルコールスプレーや漂白剤は、少し待って。シャープ・日立・三菱電機の3社とも、アルコールを冷蔵庫に使わない物に挙げています。拭いても残る黒い跡は、強い薬剤でこするより、パッキンの交換を考えたほうが早く片づきます。

冷蔵庫のパッキンにカビが生える原因

パッキンのカビの始まりは、ゴムの溝に残った汚れと水分。毎日何度も開け閉めするドアなので、汚れも水分も、気づかないうちにたまっていきます。

食品の汁やこぼれがたまる

ドアポケットの調味料のびんから垂れたしずく、取り出すときに落ちた煮物の汁。溝に入りこんだ汁は、そのままカビの栄養になります。三菱電機の掃除の案内にも、冷蔵庫の中は調味料の液だれや残った食材で汚れやすいとあります。

ドアを開けるたびに結露する

ドアを開けると、部屋の暖かい空気が冷えたパッキンに触れて、細かい水滴がつくので、開け閉めの多い家ほど、溝が乾く間はなかなかありません。

手あかや皮脂がつく

取っ手のまわりは、毎日手が触れるところ。手の皮脂も汚れになって、溝にたまっていきます。

冷蔵庫のパッキンのカビの落とし方

黒い点を見つけたら、用意するのはぬるま湯とやわらかい布。いきなり強い洗剤を使わないのは、ゴムやすぐ隣のプラスチックを傷めないためです。

先に取扱説明書のお手入れを見る

スプレーを手に取る前に、冷蔵庫の取扱説明書の「お手入れ」を開いてみましょう。使ってよい洗剤と使わない洗剤は、メーカーや機種によって違います。

説明書が見当たらなければ、本体のラベルで型番を確かめて、メーカーのサイトへ。シャープ・日立・三菱電機の案内を読み比べると、パッキンの手入れはどれも、ぬるま湯で拭くところから始まります。

ぬるま湯を含ませた布で拭く

やわらかい布をぬるま湯で湿らせ、固く絞ってパッキンを拭きます。汚れがひどくなければ、これだけで大丈夫。シャープと日立の案内にある、いちばん初めの手です。

熱いお湯は使わずに。シャープも、60度以上の熱湯は避けるよう書いています。

落ちなければ薄めた中性洗剤で拭き水拭きと乾拭きをする

ぬるま湯で落ちない汚れには、食器用の中性洗剤を水で薄めて布に含ませ、固く絞ってから黒いところを拭きます。

拭いたあとは、水拭きで洗剤を取り、乾いた布で水気まで拭き取って終わり。洗剤が残るとプラスチックが割れることがあると、シャープの案内にもあります。水気が残れば、それがまたカビのもとに。

溝の奥は綿棒でかき出す

じゃばらになったパッキンの溝は、布の先が届きにくいところ。薄めた中性洗剤を綿棒につけて、溝に沿ってなぞると、奥の汚れもかき出せます。ゴムを伸ばさないように、力はかけずになぞる程度で。

パッキンに使わないよう書かれている洗剤

パッキンのカビの落とし方を調べると、アルコールスプレー、漂白剤、重曹と、いろいろな方法が出てきます。ところがメーカーの手入れの案内では、そのいくつかが冷蔵庫に使わない物として挙がっています。

洗剤や道具使わない物に挙げているメーカー
アルコール・エタノールシャープ、日立、三菱電機
重曹日立
クエン酸・お酢日立(三菱電機は「酸」)
塩素系漂白剤日立
アルカリ性・弱アルカリ性の台所用洗剤三菱電機(シャープは庫内の注意に挙げる)
熱湯シャープ(60度以上)、日立、三菱電機
たわし・みがき粉シャープ、日立、三菱電機

プラスチックが割れたり、ドアの塗装に傷や変色が出たりするおそれがあるため、というのが理由。ただ、日立と三菱電機の一覧は冷蔵庫全体の注意で、パッキンだけを指したものではありませんが、パッキンはゴムでも、すぐ隣にはドアのプラスチックと塗装面があります。

アルコールとエタノール

パッキンのカビ取りで、いちばんよく見かけるのがアルコールスプレー。手軽で、すぐ乾くのがうれしいですよね。けれど、3社の手入れの案内は、どれも冷蔵庫にアルコールを使わないよう求めています。台所の除菌用に置いてあるスプレーでも、冷蔵庫のドアには吹きかけないほうが安心です。

重曹・クエン酸・お酢

家にある物で掃除できる方法としてよく紹介される3つですが、日立はこの3つとも、避ける物の一覧に入れています。重曹は弱アルカリ性で、三菱電機が避ける物の一覧にも、弱アルカリ性の台所用洗剤が入っています。

塩素系漂白剤

黒い跡を白くしたくて、キッチン用の漂白剤を薄めて塗る方法もよく見かけます。日立は、塩素系漂白剤も使わない物の一つ。シャープと三菱電機の案内には漂白剤の記載がないので、使う前に自分の冷蔵庫の説明書を確かめましょう。

熱湯・たわし・みがき粉

早く落としたいときほど、手が伸びるのがこのあたり。熱いお湯はプラスチックの変形に、たわしやみがき粉は表面の傷につながるので、3社とも避けるよう書いています。

もう使ってしまったなら、水拭きで残った洗剤をよく取り、乾いた布で拭いておきましょう。

黒い跡が落ちないときはパッキンを交換する

ぬるま湯と中性洗剤で拭いても、黒い跡が残る。じつはメーカーの案内には、パッキンのカビの落とし方までは書かれていません。ゴムの奥まで色が入った跡は、拭いても消えないことがあります。

そんなときは、強い薬剤でこするより、パッキンを新しくするほうが早いことも。

型番を調べて純正の部品を探す

パッキンの部品は、冷蔵庫の型番で探します。日立の冷蔵庫なら、近くの日立のお店や家電量販店で取り寄せるか、日立の部品のネットショップ「パーツショップ」へ。部品の名前は説明書とショップで違うことがあるので、型番で検索すると見つけやすくなります。

ただし、どの部品もいつまでも買えるわけではありません。日立が冷蔵庫の部品を持っている期間は、生産が終わってから9年。古い冷蔵庫だと、部品がもうないこともあります。ほかのメーカーの冷蔵庫なら、メーカーのサポートページで部品の買い方を確かめましょう。

自分で替えるか修理を頼むか

部品が届いたら、取り付けは部品や説明書の案内に沿って。自分で替えられるか不安なときや、部品が売られていない機種は、メーカーの修理の窓口に相談しましょう。

部品がもう手に入らないくらい古い冷蔵庫なら、買い替えの時期かもしれません。

パッキンにカビを生やさない手入れ

きれいになったら、次は生やさないこと。とはいえ、特別な道具はいりません。

月に1回ぬるま湯で拭く

日立は、ドアパッキンを1か月に1回の手入れに入れています。カレンダーの月初めに「パッキン」と書いておくくらいで十分。汚れたままにすると、物が挟まったりゴムが変形したりして、冷えが悪くなることもあります。

こぼれた汁はその日のうちに拭く

ドアポケットのびんから垂れたしずくや、取り出すときに落ちた汁は、気づいたときにひと拭き。固まる前なら、ぬるま湯の布で落ちます。最後に乾いた布で水気も取っておくと安心です。

まとめ

冷蔵庫のパッキンのカビは、ぬるま湯で拭き、落ちなければ薄めた中性洗剤へ。最後に水拭きと乾拭きで、洗剤と水気を残さないようにしましょう。

アルコール、重曹、塩素系漂白剤は、メーカーが冷蔵庫に使わない物に挙げています。拭いても残る黒い跡は、型番で部品を探して交換を。あとは月に1回、ぬるま湯で拭くだけです。

※手入れの方法と使わない物は、2026年10月19日にシャープ・日立・三菱電機の公式ページで確かめた内容です。パナソニックの案内は確かめられていません。使ってよい洗剤は機種によって違うことがあるので、手入れの前に自分の冷蔵庫の取扱説明書も見てください。

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