荷造りを始めたら、組み立てた段ボールだけで部屋が埋まってしまった。1Rや1Kでは、よくあることです。こういうときは、何から詰めるかより先に、箱をどこに置くかを決めると進みやすくなります。私なら、まず作業する場所を箱ひとつ分だけ確保します。あとは詰め終わった箱の置き場と、玄関までの通り道を分けておけば、箱が増えても部屋の中で迷子になりません。
部屋に入りきらなくなったら、ベランダや浴室も使えます。ただ、ベランダには箱を置いてはいけない場所があるので、そこだけは先に知っておくと安心です。
箱を開く前に置き場を決める
届いた段ボールをとりあえず部屋の真ん中に置いて、そこへ物を出し始めると、空の箱と詰め終わった箱がすぐに混ざります。さっき閉じた箱をまた動かして、その下から次の箱を出す。これを何度も繰り返すことになるので、最初に置き場だけ決めておきます。
| 場所 | 使い方 | 避けたいこと |
|---|---|---|
| 作業場所 | 箱を1つ広げ、テープ・油性ペン・はさみ・緩衝材をまとめておく | 部屋じゅうに空箱を広げる |
| 完成箱の置き場 | 押入れ・クローゼット・部屋の奥・空いた壁際のどこか一カ所 | 玄関までの通路にばらばらに置く |
| 通り道 | 玄関から寝る場所まで歩けて、扉が開く幅を残す | 箱やひも、緩衝材でふさぐ |

作業場所は箱ひとつ分でいい
作業に使う床は、箱をひとつ広げて、その横で物を包めるくらいあれば足ります。ベッドの上は広くて使いやすそうに見えますが、寝る前に毎回片づけることになるので続きません。私なら、しばらく使わない机の前か、床の一角を選びます。
テープや油性ペン、はさみ、緩衝材も、袋かかごにまとめてここに置いておきましょう。道具があちこちに散らばっていると、取りに行くたびに箱をまたぐことになります。ひとまとめにしておけば、途中でやめるときも一度で片づけられます。
完成した箱は押入れか壁際へ
詰め終わった箱は、押入れやクローゼットの中、部屋の奥、家具を動かして空いた壁際など、どこか一カ所に集めます。ROOMIEが引越しオーガナイザーに取材した記事では、押入れの中身を先に箱へ移し、その箱を空いた押入れに戻す方法が紹介されていました。収納をそのまま箱の置き場にしてしまうやり方です。
積むときは、重い箱を下に、軽い箱を上にします。ただ、箱の強さも中身もそれぞれ違うので、傾いてきたり、下の箱がへこんできたりしたら、それ以上は載せないほうが安全です。
玄関までの道には置かない
最後の一箱を、玄関の前や廊下に置きたくなることがあります。でも、ここは空けておきます。東京消防庁も、避難口へ続く廊下や出入口の近くには物を置かないよう呼びかけています。荷造りの途中でも、すぐ外に出られて、扉がきちんと開く状態にしておく必要があります。
一度、玄関から寝る場所まで、いつもどおりに歩いてみると分かりやすいです。箱の角に足が当たらないか、ドアが最後まで開くか。床に落ちたひもや緩衝材は、夜につまずく原因になるので、作業を終えるたびに拾っておきましょう。
最初の一箱は部屋の奥から
置き場が決まったら、いよいよ詰めていきます。といっても、棚を全部ひっくり返す必要はありません。部屋の奥にある、引っ越しの日まで使わない物で一箱だけ作り、決めた置き場に移してみます。最初の一箱が置き場に収まると、次からの流れがつかめます。
箱へ入れる前に迷う物をよける
日本通運も、不用品の処分は荷造りの早い段階で進めるよう案内しています。一度箱に入れてしまうと、そのまま新居まで運ぶことになりがちだからです。棚から出したときに「持っていく」「手放す」「迷う」の3つに分けておけば、箱の数をむやみに増やさずに済みます。
手紙や昔のノートが出てくると、つい読み始めて手が止まります。迷う物は小さな箱にまとめて、見直す日を書いておきましょう。粗大ごみは回収日が限られているので、出すと決めた物は申し込みだけでも先に済ませておくと安心です。
季節外の物からふたを閉じる
季節外の服や寝具、飾り、本、趣味の道具、買い置きの日用品。しばらく出番のない物なら、今日ふたを閉じても困りません。日本通運も、引っ越しの日まで使わない物から詰め、工具や掃除道具、契約書類などは箱に入れても封をしない方法を紹介しています。
反対に、歯ブラシや充電器、薬、翌日に着る服まで詰めてしまうと、夜に箱を開け直すことになります。最後まで使う物は旅行かばん一つにまとめて、箱の山とは別に置いておくと見失いません。
箱のメモは新居で読めればいい
ふたを閉じた箱は、どれも見た目が同じです。「キッチン」とだけ書くより、新居のどの部屋に運ぶか、すぐ開けるかどうかまで書いておくと、引っ越し当日にそのメモが役に立ちます。
天面より側面に書く
箱を積むと、天面に書いた文字は見えなくなります。見える側面のどこかに、「新居の部屋」「中身」「先に開けるか」を書いておきましょう。たとえば「台所/鍋・保存容器/後で」「洗面所/タオル・ドライヤー/先に」のような書き方です。
新居の収納先まで決まっているなら、それも書き足しておくと荷ほどきが早く済みます。ROOMIEの記事でも、部屋の名前に収納先まで添える方法が紹介されていました。業者に運んでもらう場合も、箱の側面を見せれば運ぶ部屋が伝わるので、当日に一箱ずつ説明しなくて済みます。
すぐ使う箱を山の奥へ入れない
カーテンやトイレットペーパー、タオル、最低限の食器、工具など、新居に着いた日に使う物は人によって少しずつ違います。何を入れるにしても、その日に使う分を一箱にまとめておけば足ります。
この箱は山の手前に置くか、自分で運ぶ荷物に入れておきましょう。トラックに最後に積んだ箱が、新居で最初に出てくるとは限りません。側面にも大きく「先に開ける」と書いておくと安心です。
ベランダと浴室に置くときに避ける場所
部屋に入りきらない箱を、ベランダや浴室に逃がす人もいます。知恵袋で引越し業者の人が答えた回答にも、梱包した箱を風呂やベランダに積んでいたお客さんの話がありました。どちらも使える場所ですが、置いてはいけない場所と、箱が傷みやすい条件があります。
ベランダは降下口と隔て板の前を空ける
マンションのベランダの床に、四角い金属のふたのようなものがあれば、それは避難はしごの降下口です。火事のときは、ここを開けてはしごで下の階へ逃げます。東京消防庁は、固定はしごの降下口の上と、上の階からはしごが下りてくる場所には物を置かないよう示しています。
隣の部屋との間にある薄い仕切り板(隔て板)の前も、空けておく必要があります。「非常の際はここを破って隣戸へ避難できます」と書かれていることが多く、火事のときには蹴破って隣へ逃げる道になります。箱で前をふさいでしまうと、自分も隣の人も通れなくなります。
そうなると、置けるのは窓の前でも排水口の上でもない、壁に沿った一角です。雨が吹き込むと段ボールは底から弱っていくので、ブルーシートやごみ袋をかぶせ、床にすのこや板を一枚敷いておきましょう。ベランダの使い方を管理規約で決めている建物もあるので、何日も置くなら一度確かめておくと安心です。
浴室は換気してから床に直接置かない
浴室は、扉を閉めれば箱が目に入らず、通り道もふさがないので、置き場としては使いやすい場所です。ただ、段ボールは湿気を吸うと柔らかくなり、上の箱の重さで潰れやすくなります。
置く前に浴槽と床の水を拭き、換気扇を回して乾かしてから運び込みましょう。床に直接置かず、ふたをした浴槽の上やすのこの上に載せます。本や書類のように湿気で傷む物の箱は、浴室には入れないほうが無難です。お風呂に入るたびに箱を出すことになるので、浴室を使うのは引っ越しの数日前からと考えておくと楽です。
通路へはみ出したら積み方では解決しない
決めた置き場がいっぱいになって、箱が通路に出てきた。そうなったら、置き方の工夫ではもう追いつかないという合図です。さらに高く積む前に、持っていく量と、家の外へ出す方法を見直す段階です。
箱に入れなくてよい物を探す
新居で置く場所が決まっていない家具や、長く使っていない家電、同じ用途の物がいくつもあるなら、運ぶ費用と新居の広さも含めて、持っていくかどうかを考え直してみましょう。処分の日は自治体や回収の方法によって変わるので、引っ越しの直前まで迷っていると間に合わないことがあります。
衣装ケースは中身ごと運べるか先に聞く
引き出し式の衣装ケースは、中身を入れたまま運べると紹介されることがあります。Googleの検索結果に出るAIの要約にも「そのまま使う」とありました。ところが、その出典に挙がっていたアート引越センターの荷造りの案内には、家具の引き出しの中身は抜き出してダンボールに詰めるよう書かれています。
どちらになるかは、頼む業者と、ケースの材質や重さによって変わります。中身ごと運べるなら、衣類の分の箱がまるごと要らなくなります。見積もりのときに「プラスチックの衣装ケースは中身を入れたままでいいですか」と聞いてから、詰めるかどうかを決めましょう。
一時保管は取り出し方まで聞く
どうしても家の中に収まらないなら、トランクルームや引越し業者の保管サービスも選べます。イナバボックスの記事によると、トランクルームは自分の都合で出し入れしやすい一方、契約と荷物の搬入を自分でする必要があります。引越し業者の保管は手続きをまとめやすい反面、預けている間は自由に取り出しにくいことがあります。
引っ越しの日までに梱包が終わりそうにないときは、業者の梱包サービスも確認してみてください。料金や対応できる日、預けられない物、途中で取り出せるかどうかは、会社や契約によって違います。使う前に見積もりに含めてもらいましょう。
箱を置かない道を一本つくる
最後にもう一度、いま座っている場所から玄関まで、いつもどおりに歩いてみてください。その道には箱を置かない。作業する床は一箱分だけ空けて、閉じた箱は押入れか壁際に寄せておきます。
詰めるのは、引っ越しの日まで使わない物からです。歯ブラシや充電器まで勢いで閉じてしまうと、夜に箱の山を掘り返すことになります。最後まで使う物は旅行かばんに入れておきましょう。
壁際が埋まって、箱がまた通路に出てきたら、上に積んで粘るのはそこまでです。処分するか、外に預けるか、梱包サービスを頼むか。私なら、まず処分できる物がないかを探します。
まとめ
荷造りする場所がないときは、最初に作業場所、完成した箱の置き場、玄関までの通り道を分けます。最初の一箱は部屋の奥にある使わない物から詰めて、完成した箱は押入れや壁際の一カ所に寄せていきます。
部屋に入りきらなくなったら、ベランダや浴室も使えます。ただし、ベランダの避難はしごの降下口と隔て板の前には置けません。それでも通路に箱があふれるなら、積み増す前に不用品を減らし、一時保管や梱包サービスを検討しましょう。玄関から寝る場所まで歩けて、扉が開く道は、最後まで残しておきましょう。
※箱の置き方は部屋ごとに変わります。玄関と避難経路はふさがないでください。
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